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女たちはどこにでもいる
WSF2007 世界社会フォーラム ナイロビ 報告会

2007年1月、世界各地から赤道直下のナイロビに何万人もの人々が集まりました。
会場では、女性に対する暴力、貧困ゆえの妊産婦死亡、安全でない中絶による死亡や後遺症、HIV/エイズの女性への拡大、FGM(女性器破壊)、早期婚姻、女性の財産権・相続権の制限、女性が尊厳を保って労働できる環境の不足、人身売買、同性愛嫌悪などの課題に取り組む世界各地の女性たちに出会うことができました。
このような課題には、女性の尊厳、人権、安全、健康、地位などが格下げされていることが大きく影響しており、形は違っても日本で起きていることと無関係ではありません。
これらの社会の歪みは、女性の中でも、貧しい女性、障がいがある女性、異性愛以外の女性、移民女性、若い女性などに集中しがちです。格差が広がりつつある日本社会の行く末を一緒に考え、今後の活動の力にできればと思い、この報告会を企画しました。
 どうぞ おでかけください。

日時:2007年7月21日(土曜)16:30〜19:30
場所:「女性と仕事の未来館」第1セミナー室
   〒108-0014 東京都港区芝5−35−3 TEL:03-5444-4151
   JR田町駅(三田口)より徒歩3分/地下鉄三田駅A1出口より徒歩1分

報告予定者:麻鳥澄江 鈴木ふみ ほか
スライド上映あり

参加費無料。資料代500円
共催
すぺーすアライズ
SOSHIREN・女のからだから
女の空間NPO
からだと性の法律をつくる女の会

問合せ:アライズ総合法律事務所内すぺーすアライズ Tel 047-376-6556 Fax 047-320-3553

●女たちはどこにでもいる・WSF 2007
 リプロダクティヴ・ライツの視点から
 グローバリゼーション・格差社会を検証する

 WSF(World Social Forum)は、日本では「世界社会フォーラム」と訳されています。雰囲気は世界民衆活動集会で、合言葉は「もう一つの世界は可能だ」でした。
 同じ時期に「World Economic Forum世界経済フォーラム」がスイスの観光地ダボスで開催されていました。ご存知のように、1971年から毎年1月下旬、世界各国の政財界の代表が世界の経済地図を牛耳るための会議。このダボス会議のテーマは「変化する力の均衡」でした。これに抵抗するための集まりが、私たちが報告するWSF世界経済フォーラムです。
 どちらも5日間の討議日程の集まりですが、ダボス会議は企業家・政治家・学者など2400人の参加、年会費は3万ドルという規模。一方WSFは参加者6万人、参加費は4ドル〜100ドルという設定。参加費の差が実態を雄弁に語っています。
 報告者の二人は、ナイロビに集まった人々、とくに女たちと出会うことがこの旅の目標でした。

●起きていることを共有し、一人ひとりの女性の尊厳と選択と人生を大切にする社会の実現のために、どのようにして対抗できるのか一緒に考えてみたいです。

Image  今年2007年1月柳澤厚生労働大臣の「女性は産む機械」暴言は記憶に新しいところですが、さらに、与党議員の開発途上国では人口抑制すべきとの発想など、女性を押さえ込む動きが野放しになっています。問題点や課題はたくさんあります。たとえば、1994年国際人口開発会議で国際的合意を得たリプロダクティヴ・ヘルス/ライツが普及していないこと、女性が産む・産まない・いつ産むかの選択に圧力がかかること、子どもを産まないこと産めないこと、子どもの障がいや貧富や国籍・出身地などよって差別されることない環境が未熟であることについて現政権は充分な回答を用意できないこと、機械発言後半年もこれを放置し続ける安倍政権の貧困やセーフティネット対策の無策、格差社会などと国内では課題が山積です。

 世界に目を向ければ、アメリカ合州国主導の世界銀行による構造調整プログラムの導入によって、健康が人権ではなく商品に変質してしまったこと、女性の人権を無視した経済開発が女性の人権と健康を蝕んでいること、1990年代の微修正として「Social Safety Net」が導入されたものの、新自由主義・グローバリゼーションの理念の変化はなく進行していること、などを背景としつつ、男性中心主義、異性愛主義の社会での、貧困の女性に集中する妊産婦死亡、中絶が保障されないことによる死亡や後遺症、HIV/AIDSの女性化、FGMなど女性に対する暴力、国際移動する女性への暴力、セックスワーカーたちへの人権無視、レズビアンの不可視化と差別などの実態があります。WSFで交流したこれらの情報を日本でも共有したいです。

 日本ではリプロダクティヴ・ヘルス/ライツという考え方があまり広がっておらず、むしろ、性に基づく差別をなくすことや性教育に対して反動による巻き返しが起きています。 1994年国際人口開発会議で国際的合意した「リプロダクティヴ・ヘルス/ライツ」は成立直前から圧力が激しくなりました。ヴァティカンやイスラム諸国の宗教原理主義などの組織的な動きだけでなく、共和党ブッシュ政権も経済力・軍事力を背景にこれに加担しています。 国際社会でのリプロダクティヴ・ヘルス/ライツを後退させる動きについても意見交換したいです。